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ケンケン見聞録 01

こんにちは、TENTです。
近頃、おかげさまでTENTのことを知ってくださる方も少しづつ増えてきているのですが「え!?あれもTENTが関わってたの?」と驚かれることが多くなってきました。

たしかに僕たちも結成8年目なので、昔のことを知らない方がいても当然ですよね。そんなわけで、新しいコーナーを始めたいと思います。

その名も「ケンケン見聞録(けんぶんろく)」。

このコーナーは、TENTに2017年から参加したデザイナーであるケンケンが、治田(ハルタ)と青木(アオキ)に、昔の仕事について根掘り葉掘り聞くコーナーです。

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写真左:ケンケンさん 写真右:治田(ハルタ)さん



第一回の今回はAKAISHIさんから発売されているTSU-BO GYUTTOについて。

2016年8月に発売開始、2019年現在で7万個以上の出荷実績を持ち「TSUBOスタイルシリーズ」全体としては、累計80万個以上の出荷実績を持つという、知る人ぞ知る大ヒット商品です。

それではさっそく、担当した治田さんにお話を聞いていきましょう。


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ケンケン そもそもAKAISHIさんとお仕事することになった最初のきっかけは、何ですか?


治田 もともとは、学生時代の友達に、めっちゃ肩こりの女の子がいて。どこかに遊びに行ったときに「肩凝ったわー」とか言って、謎の道具をカバンから取り出してマッサージしだして。気になっちゃって見せてもらったら、それがAKAISHIさんの商品だったんです。なんかそれが印象に残って。

それから10年後くらいに、独立してフリーランスで活動を開始したんだけど、最初は仕事なんてないわけですよ。


ケンケン そうですよね。


治田 そのときにその謎の道具のメーカーであるAKAISHIさんのことを思い出して。メールで連絡して、社長さんと会って話して、仕事をいただくことになった。そこからの関係ですね。


ケンケン 長い付き合いですね。


治田 15年以上になるかなあ。


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ケンケン その間、このTSUBOみたいなマッサージャーを沢山つくってきたんですか?


治田 AKAISHIさんは健康のために履くサンダルだったり、いわゆる美容健康コーナーに置かれる雑貨をたくさん作っている会社なので、そのあたりをいろいろやらせてもらってましたね。


ケンケン 僕は、TENTに入社する前からNuAnsやDRAW A LINE を見てましたし、今もそういったお仕事に関わらせてもらってるんですけど、マッサージャーはまだ関わったことが無いんです。

なので質問なのですけど、他のお仕事とマッサージャーとで大きな違いとかってありますか?


治田 なんだろう。やっぱりお店で見たときに「これは効きそうだ」と思ってもらえないと、まず買ってもらえないんですよ。

そのための見た目での期待感が重要なのと、その上で、使って良さを実感してもらえると、その人が他の人に薦めてくれたり、もう一度買ってくれたりする。


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治田 だから、見た目のインパクト実際の気持ち良さ、さらに価格も含めたバランスの良さがすごく大事なジャンルだなあとは思いますよ。


ケンケン 期待と実際、それに価格のバランス。なるほど。


治田 だからこれまで、マッサージャーのジャンルっていうのは、グニャグニャしてて、有機曲線を多用することで「なんかすごそう!効きそう!」という期待感を煽るようなもの。色もピンクだったり水色だったり派手なものが多かったんです。


ケンケン ふむふむ。たしかにマッサージャーで検索すると、そういうものが沢山出てきますね。


治田 でも個人的には、そういうものに対して「使うときはいいけど、家に置きたく無いなあ」と思っていて。昔からもうちょっとシンプルな、幾何学形体をベースにした形をやりたいなあと思ってたんだよね。

このTSUBOに関しては、そういう僕の思いと、世の中の流れというか、AKAISHIの担当者さんの狙いがちょうど合わさるタイミングが来たという感じ。

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ケンケン なるほど。タイミングとかってあるんですね。

ちなみに、マッサージャーの「気持ち良さ」って、図面やスケッチ、3DCGではわからないじゃないですか。どうやって開発を進めるんですか?


治田 最初はざっくり「こんな感じのやつはどうですか」という資料を作って、企画担当者さんと話し合うね。そこから選んだ案について、試作して試してみて、気持ち良いねえとか、ダメだねえとか言いながら進めていく感じ。



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ケンケン TENTは普段、紙で手作り試作したり、3Dプリンターを使うことが多いと思うんですけど、この場合も、そういう感じですか?


治田 マッサージャーの試作って、グッと力を加えて肌に当ててみないと良し悪しがわからないんだよね。だから肌に触れる部分の硬さだったり肌触りが実際の素材に近い方が、試作として意味がある。


ケンケン だとすると、たとえばどうするんですか?


治田 たとえば、木を曲げて、そこにスーパーボールをクギで止めたり。ゴルフボールと、何かの部品を組み合わせてみたり。寄せ集めのごちゃっとした試作を作っていろいろ試す。


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治田 まあ、ガラクタのキメラみたいな、そういうのをいっぱい作って検討するかな。


ケンケン へえー!その作業はまだ見たことがないです。


治田 一度、僕が寄せ集めで作った試作がすごく気持ちよくて。本番で製品を作るときに「どうしても試作の気持ち良さが再現できない!」ってエンジニアさんに言われたことがあって。あれは面白かったです。

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ケンケン それすごいですね。


青木 横からすみません、今日はカメラマンを担当しているTENT青木ですけど、ちょっとお話させてください。


治田 どうぞどうぞ。


青木 最近、スマートフォンとかPCが暮らしに深く関わっていることもあって、デザインの仕事の中でも、視覚の比重ってすごく大きくなってると思うんですよね。

そんな中でマッサージャーって触覚が最も重要という所が、すごくユニークだなあと思ってて。きっと、この道15年の治田さんには、目だけでなくて、手や体でデザインする感覚がすごく培われているんだろうなーと。


ケンケン なるほどー。


治田 でも謎ですよね。「気持ち良い」それだけを目的に形を作るって。


ケンケン たしかに、人それぞれの感覚の部分もありそうですね。


青木 実は僕も、治田さんがAKAISHIさんの仕事をしているのを横で見てて、マッサージャーのデザインって、デザインの仕事の中でも不思議な感じがするなあと思ってました。

でも、視覚か触覚かという差はあれど「気持ち良さ」についても理論的にモノに落とし込んでいるという意味では同じなのかもしれないなあと。


治田 たしかにそれはあるかもしれないですね。


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ケンケン 色について「今まではピンクとか水色とかだった」ってお話されてましたけど、このTSU-BO GYUTTOが黒とモカの2色なのには、何か狙いがあるんですか?


治田 やっぱり、使わないとき、部屋に置いといたときに、インテリアと馴染むような落ち着いた色にしたかった。

あとは、これまでのマッサージャーの「効果がありそう!」「すごそう!」というだけのものではなくて、例えばヨガみたいな健康さのイメージを取り入れたいと思ったんです。

なので、当初からアースカラーを前提に提案していた気がする。


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ケンケン では続いて形についてなんですけど。僕は知らずに見たときに、治田さんの机に、なんか格好良いオブジェが机に置いてあるなあと思ってたんですよ。全然マッサージャーとは思ってなかったですね。


治田 ありがとうございます。それは少し、狙い通りかも知れない。


ケンケン それくらい、ただ置いてある時にもシンプルで魅力的なものだと思いました。その上で質問なんですけど。マッサージャーとしてのこだわり部分ってありますか?


治田 グッと点で強く押せる場所と、大きな面で柔らかく刺激するっていう2面性が、マッサージャーの一つのセオリーにはなるんです。

今回は、それをいかにシンプルにまとめるか考えていて


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治田 まず、先端のここでグッと押すことができる。そのとき、押す側は面にして、押される側は点にすることで、力がかかるようにしてます。

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治田 そして、手の中で転がすことで、フィンの部分がここちよく当たる構造になってます。

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治田 実は、このフィンの幅や間隔がちょっとでも違うと、気持ちよく無くなるのね。幅が広すぎるとガタガタってなっちゃうし、細すぎるとヤワな感じになっちゃう。


ケンケン やっぱり試作を沢山作って検討したんですか?


治田 試作も作ったけど、15年以上の経験から「だいたいこれくらいが気持ち良い」というのはわかってるから、その中で細かく検討した感じですね。


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治田 ちなみに、この製品はエラストマーという少し柔らかい樹脂素材を使ってるんだけど、こういう樹脂製品で、こんなに分厚い塊を作るのって、すごく難易度が高いんです。


ケンケン そうなんですか


治田 普通は全部の厚みを均等にしないと、歪んでしまったり凹んでしまったりして、思う通りの形が量産できなくなる。

でもAKAISHIのエンジニアさんは凄くて。どんなに偏肉(厚みに偏りがあるように)してても、綺麗に量産しちゃうんです。ここにはすごいノウハウがある。


ケンケン そうなんですね。たとえばどんなノウハウになるんですか?


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治田 詳しくは僕から話せないんだけど、金型の工夫や、成形するときの温度や時間、他にも樹脂の配合についても色々あると聞いてます。

厚みの問題だけじゃなくて、触り心地がよく、ホコリが付着しにくく、長く使って壊れないことなんかを実現するために、配合を含めてかなり検討していると思いますよ。


ケンケン なるほど。知れば知るほど深いですね。

では最後に、この製品をTENTのストアでも販売できることになったんですけど、これを読んでいる方へ伝えたいことはありますか?


治田 うん。贈り物なんかで買ってもらえると嬉しいですね。疲れてるお父さんお母さんを癒すためとか。忙しそうにしてる友人にホッと一息ついてもらうためとか。デスクにちょっと置いておいて、作業の合間にニギニギしてリラックスしてもらうっていう感じで。


青木 お値段がお手頃なのも良いですよね。


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ケンケン 今日はお話ありがとうございました。


治田 いえいえ。ありがとうございました。



ツボギュット ブラック
サイズ:直径約5cm 高さ約9cm
重量:59g

¥900-(税抜き)


ツボギュット モカ
サイズ:直径約5cm 高さ約9cm
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