TENT青木 前回は本社1階の「まほうびん記念館」にて、象印さんの100年の歴史と、外部のデザイナーさんとの歴代コラボレーション製品について拝見させていただきました。

今回は、いよいよTENTがコラボレーションしたSTAN.(スタン)について話そうと思うのですが、まずは今日お話するメンバーの挨拶から。

私はTENTの共同代表 兼 デザイナー、青木(アオキ)です。


TENT治田
 同じくTENTの共同代表 兼 デザイナー、治田(ハルタ)です。


TENT治田
 STAN.のプロジェクトでは、青木とともにTENTとして、プロダクトデザインをからスタートし、最終的にはシリーズのクリエイティブディレクションなどを担当させていただきました。



堀本さん 象印マホービン株式会社 デザイン室長の堀本(ホリモト)です。STAN.のプロジェクトでは、TENTさんと弊社との主な窓口となり、様々なやりとりや全体の取りまとめを行いました。



堀本さん 本当はデザイン室の中で、それぞれの製品に対して社内のデザイン担当者がおりまして、彼女たちがお話する方法もあるとは思ったのですが、今日は代表者として私がお話させていただきます。



種市さん FLATROOMの種市(タネイチ)です。今回は、アートディレクターとグラフィックデザイナーとして関わらせていただいたんですけど、わかりやすく言うと、STAN.シリーズ全体の雰囲気づくりを担当しました。

TENT青木 みなさま、よろしくお願いします。



2.始まりと出会い



TENT青木 まずは、象印さんの社内で今回のシリーズが企画されるきっかけになった出来事を教えてください。


堀本さん 弊社は2018年に100周年を迎えるというタイミングだったんですけど、当初は特にそのための記念商品を作ろうという話は存在していませんでした。やはり「本業がおろそかになったらいけないのでは」という話もありまして。



堀本さん ただ、とある会議で営業部門の方から「ZUTTOのようにデザインが主導するような形で作られたシリーズ製品が、もし今も製造販売されていたとしたら、例えば蔦屋家電さんのような新しい形態の、インテリアとの親和性を重視した店舗でも扱ってもらいやすかったのでは」という話は出ていました。

(idontknow.tokyoが蔦屋家電でフェアを開催した時の写真です。)



堀本さん  そんな中で、弊社の社長から「製品カテゴリーを横断したシリーズを101年目の第一歩に向けて作りたい」という意向が伝えられ2017年に急遽メンバーが召集されました。


TENT治田 なるほど、なかなか突然のことだったんですね。


堀本さん そうですね。ただ、そのおかげで既存のラインナップにとらわれすぎずに考える事ができたと思います。




堀本さん 弊社の製品は、人生のライフサイクルの中で、学生時代には水筒で、結婚以降には調理家電などで馴染みの深いブランドですが、新社会人となってから結婚・出産に至るまでの方とは少し距離を感じていました。 

今回のシリーズでは「これからの時代を担う共働き世代・子育て世代の30代をターゲットとして、新しい世代の価値観にあったシリーズを作ろう」という方針でスタートすることになりました。


TENT青木 30代の子育て世代。まさに僕たちはターゲットにはまるわけですね。



TENT治田 なるほど。とはいえ、ターゲット世代のデザイナーと言っても沢山いると思うんですけど、今回はどうしてTENTに声をかけようと思ったんですか?


堀本さん 実はその頃に、ちょうど小さなお子さんを持つ30代の女性社員が中途入社していまして。彼女に「最近、気になるデザイナーさんいる?」と聞いたら「TENTさんです」と即答されたんです。 しかも前職の会社がTENTさんのオフィスと近かったから、ランチをご一緒したこともあったとか。


TENT青木 はい、たしかに。とくに何と言うわけでもなく、お昼ご飯ご一緒しました。


堀本さん 以前からTENTさんのことは知ってはいたんですけどね。その話をきっかけに、しっかりホームページを見たところ、なかなか面白い人たちなので、まずは会ってみようという話になりました。たしか、すぐにメールと電話もしましたよね。


TENT治田 はい、いきなりのお話だったんでびっくりしたんですけど、堀本さんの名前でWebで検索したら、かつてZUTTOシリーズを社内で担当された方だということがわかったので、これは何か、面白いプロジェクトなんじゃないかとワクワクしました。


TENT青木 ちなみに、声がけいただいた その時点では、今回のプロジェクトをTENTとやることは決定していたのですか?


堀本さん その時点では、他の外部のデザイナーさんの提案などを含めて、その中から良い提案を選ぶという、いわゆるコンペのような形式でスタートしました。その後最初のスケッチでご提案をいただいたのは、最初のインプットから、おおよそ1ヶ月後ですかね。


TENT治田 そうですね。1ヶ月でした。


堀本さん 炊飯ジャーと、その他様々な商品をシリーズという形でご提案いただきました。その時点では詳細な図面や寸法なども存在していなかったので、既存の製品図面から、ざっくりしたデザインイメージということで提案いただいて。




TENT青木 通常はこのような、ざっくりしたデザインイメージから開発が進むことはあるんですか?


堀本さん 弊社では、あまり無いことですね。企画が固まり、仕様が固まり、設計の目処がある程度ついた段階からデザイナーが参加することが多いです。細かな条件や図面がない段階からスタートしたので、TENTさんには少し苦労をおかけしたかなと思いますが。


TENT治田 いえ、おかげで「あるべき佇まいは何か」というところから考えることができたので、やりやすかったと思います。





堀本さん そして初回の提案の段階で、TENTさんからは4案ほどの提案をいただいて。他のデザイナーさんからの案など、様々な案が集まりました。 どの案も本当に魅力的でなかなか結論が出ず、お待たせしてしまいましたね。


TENT青木 たしかに、回答まで数ヶ月の間があったと思います。


堀本さん 結論が出ないのには理由がありまして、それぞれの案が、単純に見た目の良し悪しではないんです。これからの炊飯ジャーとはどうあるべきかの考え方が、それぞれに込められている。




堀本さん 会社として、新シリーズがどういった考えを持った製品にしていきたいかが、なかなか定まりませんでした。

また「新しさ」に対する抵抗もあります。例えば、STAN.に繋がったこの提案に関して言えば、正面から見たら台形の、頭でっかちの形というのは、炊飯ジャーでは昔からタブーとされています。



堀本さん 大きく見えてしまうし、不安定感が出るしという事で。いろいろな意見がありましたが、最終的には、弊社は魔法瓶、つまり容器からスタートした会社ですから。

101年目のシリーズ製品としてTENTさんの(最終的にSTAN.につながる提案である)「うつわのような佇まい」の案は、ふさわしいだろうという結論に至りました。





TENT青木 なるほど。そうして決まったこの案ですが、シリーズ全体を通したプロダクトデザインについて、治田さんに解説いただいて良いですか?


TENT治田 そうですね。


種市さん すみません、いきなり本題と違う話を差し込んで恐縮なんですけど、TENTのお二人は、青木さんと治田さんでは、どのように役割分担しているんですか?




TENT治田 あ、そこから行きますか。僕たちは「藤子不二雄スタイル」と呼んでいるんですけど、どちらがどちらの役割も担える状態が理想だと思っているので、担当領域は同じになるように意識しています。


TENT青木 ただ、アイデアって個人から出ることが多いので、採用されたアイデアのコア部分を出した人が、その後もその製品をメインで担当するという割り振りになるようにはしています。

STAN.で言うなら、様々な案から勝ち抜いたこの「うつわ案」を出したのが治田さんなので、プロダクトのメイン担当は、治田さんが行いました。僕とアシスタントのケンケンさんは、そのサポートをするという役回りです。

左から、治田(ハルタ)、ケンケン、青木(アオキ)。



堀本さん そんな役割分担だったんですね、気づかなかった。


TENT治田 とはいえ、明確に担当の線引きをしているわけではないです。実際には打ち合わせには二人とも出席して、全ての情報を共有して、毎日相談しながらやってますし。


TENT青木 今回のSTAN.については、治田さんがプロダクトデザインを主に担当して、そのイメージが全てを牽引しています。 そこに追いかけていく形で、ケンケンさんが図面やモック作成の面でサポート、僕はコンセプトメイキングとかクリエイティブディレクションの面でサポートしたという感じです。 





種市さん なるほど、だから今回は、プロダクトデザインについての話だけど、青木さんが治田さんに質問しているんですね。 ではすみません、本題へどうぞ。


TENT青木 それでは治田さん、シリーズ全体のプロダクトデザインについて解説をお願いします。


TENT治田 了解しました。では説明します。




象印マホービン株式会社さんの粋な計らいにより、TENTのストアでSTAN.シリーズが購入できるようになりました!


量産型クリエイティブ男性による検品の様子(イメージ)



STAN.シリーズは全国様々なお店でお取り扱いがありますが、デザイナー自ら梱包発送するのは、ここTENTのストアだけ!

中目黒の小さな事務所から、1つ1つ真心を込めて送付させていただきます。





また、つまらないものではございますが、直筆サイン入りお礼状も同梱して発送させていただきます。

よろしくお願いします!




次のページへ

「あなたの暮らしにスタンバイ」

STAN.
by zojirushi




IH炊飯ジャー  (NW-SA10)

 ¥29,700-(税抜き)


「日常のスタンバイ」

毎日の暮らしの中で、食卓に置いてあっても違和感のない「うつわ」のような佇まいをもった炊飯ジャーを作りました。シンプルな形状でありながら、
操作性やお手入れしやすさにも配慮しています。

ご家族で使いやすい5.5合炊き、毎回洗う部品は2点のみ。お手入れしやすく、使いやすい安心して使える炊飯ジャーです。





ホットプレート(EA-FA10)

 ¥13,500-(税抜き)


「特別な日のスタンバイ」

家族みんなで、友人や親戚を招いて一緒に料理を楽しみたい。
そんな特別な日にふさわしい、ちょっと控えめで愛らしいホットプレートを
作りました。うつわのような佇まいは食卓の中央で料理の名脇役になります。

「焼く」「煮る」ができて料理の幅が広がる深さ4cmの「深型プレート」採用。お好み焼きを返したり、具材もすくえる「樹脂ヘラ」つきです。





電動ポット(CP-CA12)

 ¥13,500-(税抜き)


「休憩のスタンバイ」

ちょっと一息、温かいお茶を淹れて休みたい。そんなひとときに似合う、優しさとシンプルさを持った電動ポットを作りました。

上部のフタとノズル部分が独立した構成を採用し、どんな場所でも違和感のない圧迫感の少ない佇まいを実現しています。

容量1.2Lで消費電力は1300W。
コーヒーカップ2杯(240mL)が2分で沸かせる「ハイスピード沸とう」や
ミルク作りに便利な70℃保温ゆっくりカフェドリップ給湯など、安心の機能で、ご家庭で気軽にお使いいただけます。





コーヒーメーカー(EC-XA30)

 ¥9,000-(税抜き)


「仕事のスタンバイ」

作業をする前や、気持ちを切り替えるために美味しいコーヒーを気軽に淹れたい。そんなシチュエーションに最適な、優しい形状のコーヒーメーカーを作りました。マグカップ2杯分を淹れられる、ちょうどいいサイズです。

コーヒー本来のコクと香りを引き出す「ダブル加熱95℃抽出」搭載。「シンプルジャグセット」や「はずせる水タンク」などお手入れ簡単な工夫が盛り込まれています。





こちらの読み物もオススメです。


モノを持たへん時代に何つくる?

突っ張り棒の老舗 平安伸銅工業さんと一緒にDRAW A LINE を立ち上げたお話。





Copyright ©  TENT All right reserved.