
					TENT青木 前回は、シリーズのネーミングや雰囲気づくりに関して、種市さんにお話いただいたわけですけど、今回は小池ふみさんへイラストをお願いすることになったあたりのお話をお願いします。 
				
					もくじ 
 
1. コラボレーションの歴史
2. 始まりと出会い
3. プロダクトデザインという工夫 
4. 譲ることと研ぎ澄ますこと 
5. シリーズ名とストーリー 
6. 3段ロケットのように 
				
					6.3段ロケットのように
				
					種市さん レシピブックって通常は料理写真とレシピが掲載されているものになるんですけど、今回のSTAN.に関しては、それだけでは足りないような気がしたんです。
 
TENT青木 足りないと言いますと
 
種市さん STAN.シリーズに関しては「お父さんやお母さんだけでなく、お子さんを含む家族みんなで親しみが持てる道具」というキーワードを、すでにTENTさんから頂いていたました。 
 
であれば、家族みんなで読みたくなるような絵本のような佇まいを持ったレシピブックが作れたら最高だなと思いまして。 
 
				

					
堀本さん なるほど、そこからイラストを小池さんへ依頼する話になるわけですね。
 
種市さん はい。料理の写真とレシピだけでは表現できない、雰囲気であったり、暖かさであったりを表現できるイラストを描ける方は誰かいないかな、、、 
 
 と考えたところ、僕の大学時代の後輩の小池ふみさんのことを思い出し、声がけさせていただきました。 
 
 
 
 
				

					ー2019年1月31日、表参道で、STAN.シリーズの発表会が開催されました。この会場で小池さんへインタビューすることができたので、お話を伺っていきたいと思います。 
 
 
 
 
TENT青木 2019年2月11日まで表参道で開催している期間限定のコンセプトショップSTAN.TABLEでは、小池さんのイラスト原画が展示されているんですけど、 
 
今日はその会場で、原画の前でインタビューさせていただけるということで。最高のロケーションですね。よろしくお願いします。 
				

					
小池さん こんにちは、よろしくお願いします。 
 
 
TENT治田 僕たちTENTは、今思えば小池さんのイラスト自体は様々な場所で見ていたとは思うんですけど、すみません、当時は小池さんのことを存じ上げていなくて。 
 
種市さんから「こんな人がいて、今回のシリーズに絶対に合うから、イラストをお願いしてみましょうよ」って提案いただきました。 
 
 
種市さん 小池さんがこれまでに書かれたイラストをTENTさんと象印さんにも共有したところ「ぜひお願いします」と快く回答をいただくことができ、まずはホットプレートのレシピブックのイラストから依頼させていただきました。   
 
まずは中目黒のTENTさんの事務所に集まって、今回のコンセプトやプロダクトデザインなんかを共有したと思うんですけど、どう思いました?
 
				

					
小池さん まさに自分もターゲットの世代だし、子供も育てていて。しかもその時、ちょうど炊飯ジャーを探していたタイミングだったんです。だから、スケッチを見させていただいた瞬間に「あ、これ欲しい!」って思えました。 
 
種市さん レシピブック用のストーリーの文章がすでにできていたので、小池さんには「文章から思い浮かぶシチュエーションをイメージして描いてください」とお話して。 
 
 
TENT青木 具体的に「これを描いて」などの指示ではなかったんですね。 
 
 
種市さん はい。小池さんって、暮らしやストーリーが見えるちょっと抽象的というかアイコンっぽい絵を描くのが得意な人だと思っていたので。 
				

					
小池さん 今回、プロダクトデザイナーであるTENTさんと直接お会いしていたので、最初は「自分が考えた形を、変なふうに描かれたら嫌だろうなあ」と思って緊張してたんです。 
 
 
TENT治田 え!自覚が全くなかったです。こっちも緊張していたから。でも確かに、プロダクトデザイナーとイラストレーターが直に会ってお仕事する機会って、あんまり多くないかもしれないですね。 
 
				

					
 
小池さん でも、種市さんが「製品が持っている雰囲気とか時間を伝えたいイラストなので、製品をズバリ説明的に描く必要はないです」って言ってくれたんで、リラックスして描けたと思います。
 
 
種市さん 小池さんのイラストが上がった時、僕もTENTさんも象印の皆さんも「これは良い!」ってすごく盛り上がりました。ほぼ一発で、本当に最適なイラストを仕上げていただけました。 
 
 
TENT治田 このイラストができた時、実は僕はすごく感動しました。プロダクトデザインから始まって、そこに最適と思えるネーミングとグラフィックデザインがハマって。 
 
さらにこのイラストができたことで、3段ロケットと言いますか。そういった、全てが組み合わさって、突き抜けたものができたなあと。
				

					
小池さん やっぱり大きな企業さんのお仕事で、関わる方の人数も多い場合って、最初に「ズバリ説明的に描く必要はない」と言われても、提出後に何度も何度もやり直しが入ってしまうみたいなことってあると思うんです。 
 
でも、今回のSTAN.のイラストについては、わりとスムーズに楽しくできて。
感覚的に近い部分が多かったのかなあと思いました。
				

					
 
TENT青木 これからSTAN.を使う人に向けて、何かメッセージはありますか? 
小池さん 製品が素敵なので、まずはそれを使う時間を楽しんで欲しいです。 
そして、何かそういう人たちの時間に、共感するようなものを、このイラストからも感じとってもらえたら、私的には幸せかなって思います。
				

					
 
 
 
 
 
ー発表会場では、僕たちTENTに加えて、種市さん、小池さんからのプレゼンテーションも行われました。
				




					
 
 
 
 
 
 
 
TENT青木 さて、そんなわけでレシピブック用に描かれた小池ふみさんのイラストですが、その後、評判が評判を呼び、様々なものに展開されています。 
				

					 
 
種市さん そうですね。あのイラストが、あまりにもシリーズのコンセプトを体現できているので、カタログやWEBなどでも多用させていただく流れになりました。 
 
さらに店頭什器のために、小池さんのイラストが追加で書き下ろしされました。
				

					
 
TENT青木 ネーミングのお話といい、このイラストの話といい、依頼とは異なる新たな提案を無理を言ってさせていただいた部分もあったと思うんですけど、それを綺麗に受け止める象印さんの懐の深さ柔軟さというか、そのあたりが本当にすごいと思いました。
 
堀本さん 弊社の通常の業務からすると、かなりイレギュラーなことばかりのプロジェクトでしたけど。 
				

					
堀本さん 治田さんも「3段ロケット」と喩えてられたように、製品だけではなく、広報や販促含む、コミュニケーション全般が1つにまとまった形に仕上げることができた良いプロジェクトだと、僕も実感してます。ただ、あとはこれをお客さんにどう伝えるかですね。
 
TENT青木 たしかに、そこはこれからですね。 僕たちが力になれるなら、ぜひ引き続きよろしくお願いします!
 
				

					
 
TENT青木 まだまだお話は尽きないんですけど、最後にSTAN.を買っていただいた方、あるいはこれから買おうかと思っている方へ、皆さんからメッセージをお願いできますか。
種市さん 僕はホットプレートは絶対に買います。2個買う予定です。それくらい、関わる自分たちにとっても、本当に欲しいと思える製品を作ることができたと思っています。 
				

					
 
種市さん それで、スタンダードで安心できるものって、僕は同世代の結婚とか出産のお祝いにも良いなあ!と思っています。贈りものとしてもオススメしたいです。
TENT青木 治田さんは、いかがですか。
 
TENT治田 90年代以降ですね、無印良品さんで家電が出て。00年代にデザイン家電ブームというものがあって。それがひと段落して、様々な選択肢が出てきているのが現在だと思います。
そんな中で、新しい特別な機能があるわけではない「ふつうの白物家電」を、デザインが牽引する形で出していくって言うのは、やりがいがあるものの、とても難しくもあり、何度も「これで本当に良いのか?」と自問自答する日々が続きました。
				

					
TENT治田 でもカタログの撮影立会いを行ったときに、キッチンとの馴染みがすごく良くて。普段使いできる良い落としどころのものができたなと。「ああ、これがやりたかったんだ」と思えた瞬間でした。 
 
ですから、皆さんの家でも奥にしまわずに、普段使いの道具として安心してガンガン使ってもらえると嬉しいです。 
				

					
TENT青木 なるほど。今の治田さんの話を聞いて、今更ながら気づいた事がありました。スペック的に特殊なことをしているわけではない、デザインとしても、見たこともない曲面や素材や加工方法を採用したというわけでもない。 
 
そんなSTAN.が、一体何を目指していたのかと言うと、実は「安心して使えること」だったんですね。
				

					
TENT青木 象印さんの101年の歴史に、馴染みの良いシンプルな形状、色や質感、ボタンの日本語表記。象さんのマークやレシピブックのイラスト。 
 
これらみんな、家族みんなで安心して使ってもらえることを目標にしていたんだなあと、今更ながら思いました。
 
堀本さん それで言うと、開発途中にも、ユーザーさんを呼んでご意見聞いたりしていますし。決してデザイナーの唯我独尊でできたものでは無いんです。 
 
				

					
堀本さん 安全性であるとか使い勝手であるとかも、通常の象印製品と同様、厳しい条件をクリアしていますから。まずは使っていただいて体感していただけると、本当に嬉しいですね。
TENT青木 それでは、話もまとまってきましたのでこのあたりで。 
 本日はありがとうございました。
 
堀本さん ありがとうございました。
 
TENT治田 種市さん ありがとうございました! 
 
 
 
 
				

					
 
あなたの暮らしにスタンバイ
STAN.
by zojirushi 
 
 
製品についての詳しい情報はこちらからご確認ください。
				
					象印マホービン株式会社さんの粋な計らいにより、TENTのストアでSTAN.シリーズが購入できるようになりました! 
				
 
				量産型クリエイティブ男性による発送作業の様子(イメージ)
					
STAN.シリーズは全国様々なお店でお取り扱いがありますが、デザイナー自ら梱包発送するのは、ここTENTのストアだけ! 
 
中目黒の小さな事務所から、1つ1つ真心を込めて送付させていただきます。 
 
 
				
 
				
					
また、つまらないものではございますが、直筆サイン入りお礼状も同梱して発送させていただきます。 
 
よろしくお願いします!
				



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