TENT青木 前回は、「変更の要望があったときに、TENTはけっこう簡単に譲るから不安な時もあった」と堀本さんはおっしゃってました。
TENT治田 でも、その不安が少しづつ消えていったということで
堀本さん そうですね。具体的な一例をお話しますね。
もくじ
1. コラボレーションの歴史
2. 始まりと出会い
3. プロダクトデザインという工夫
4. 譲ることと研ぎ澄ますこと
5. シリーズ名とストーリー
6. 3段ロケットのように
4.譲ることと研ぎ澄ますこと
堀本さん ホットプレートで、もう金型を削り始める直前だっていう段階でしたよね。社内の設計担当者から急遽大きな変更要望が入りました。
具体的に言うと、中の鉄板を取り外すために、本体ガードの形状を大きく変えなければいけないというところ。
TENT治田 ありましたねー!そうです。当初はこの図のように、全体が均等の隙間があったんです。
TENT治田 ここにミトンをつけた手でも使えるように、一部を広げなければいけないということで、このように変更したいという要望がありました。
TENT青木 一部をちょっと、ムニっと変形させる案ですね。
堀本さん 我々としても、もちろん本意ではなかったのでいろいろ考えましたが、良いアイデアが浮かばず「TENTさんもNG出すだろうな」と思いながら状況をお伝えしたら
「なるほど、了解しました。ただ、いくつか変更案を考える時間をください」と回答があって。
TENT青木 治田さん、その電話をうけて、相当頭かかえてましたよね。
TENT治田 今日中に修正案を回答しなければいけない!という状況だったので、かなり困惑しました。
それでも最終的に、こんな風に、一部ではなく全体を広げるという案を思いついて
堀本さん みんなが「一部分を広げる前提で、形をどう整えたらいいか」を悩んでいるときに「全体を広げればいい」という回答を頂いて、あの時はなるほど!と感動しました。僕らにはない発想で。
TENT青木 あの時は僕もびっくりしました。後から見ればなんてことないんですけど、まさにコロンブスの卵というか。
TENT治田 制約や変更があったら、それをむしろプラスになる方向に修正したいと思っています。
1stのスケッチが必ずしも究極のものだとは思っていなくて。量産化のプロセスの中で様々な変更があるのは当たり前。そういう時こそ大事なコアの部分はどこなのかを何度も確認して、そこを研ぎ澄ますことが大事なのではないかなと。
堀本さん 他にいくつもこういうやりとりの例はあるんですけど、最初は「本当に簡単に譲るなあ、大丈夫かな」と思っていた不安も、
何度もやりとりを繰り返すうちに「譲るところと譲れないところがクリアになってるんだなあ」と思ったのと「 色んなアイデアを出していただけるはず」という期待感が出て、かなりスムーズにできるようになりましたね。
TENT青木 ちなみに本体にちょこんと配置されている象さんのロゴについてですけど、通常の象印さんの製品では、こういった使い方はされていませんよね。
堀本さん 通常は、このマークに加えてZOJIRUSHIという英語表記を含むものを採用しています。ただ、弊社のステンレスタンブラーでは、すでに象さんマークだけの製品も存在していまして。
今回は「うつわ」がテーマなので、ステンレスタンブラーに近い存在感であるべきということで、象さんだけの表記に特別にOKが出ました。
TENT治田 僕としても、やはり象さんって可愛いじゃないですか。今回の製品は小さな子供も含めた家族全員で親しめるようなものにしたいというゴールイメージがありましたから、象さんのマークがここに入る事で、愛嬌というか、魅力が増すので、とても気に入っています。
TENT青木 まだまだ話は尽きないのですが、ハードのデザインに関してはこれくらいで。次はネーミングやロゴ、シリーズの世界観作りに関してお話していきましょう。 種市さん、お願いします。
種市さん きましたね。了解です。
象印マホービン株式会社さんの粋な計らいにより、TENTのストアでSTAN.シリーズが購入できるようになりました!
量産型クリエイティブ男性による発送作業の様子(イメージ)
STAN.シリーズは全国様々なお店でお取り扱いがありますが、デザイナー自ら梱包発送するのは、ここTENTのストアだけ!
中目黒の小さな事務所から、1つ1つ真心を込めて送付させていただきます。
また、つまらないものではございますが、直筆サイン入りお礼状も同梱して発送させていただきます。
よろしくお願いします!
「あなたの暮らしにスタンバイ」
STAN.
by zojirushi
Copyright © TENT All right reserved.